
相続税の税務調査は預金メイン!税務署は預金が大好きです
相続税の税務調査について書きたいと思います。平成27年から課税される人が広まったこともあり、相続税の税務調査も増えてきています。実際に相続税の税務調査に立ち会ってみると、税務署員は預金ばっかりチェックしてました。
Contents
相続税の税務調査の基本的な流れ
相続税の税務調査について、どんな感じで進められるのか、簡単にまとめました。
調査日時 | ・2日間が多い ・10〜16時が一般的 |
調査場所 | ・被相続人か相続人の自宅が多い |
調査官 | ・通常1〜2名 |
調査内容 | ・ほぼ対話中心 ・金庫の中を見たりもする |
対話内容 | ・相続財産がどう構成されたか →職業、実家、交友関係など ・お金が出て行く原因 →生活費、入院、趣味、孫の学校など |
調査官は財産額に応じて、一人前調査官+新人だったり、ベテラン調査官+若手のホープのような組み合わせだったりします。税理士のところに事前に、いつだれが調査に来るのか電話がかかってくるので、税務職員名簿を見て、事前に税務署がどれだけ力を入れているか見当をつけます。
税務調査といっても、できるだけ配慮して相続人の話を聞こうとする調査官が多いです。ドラマなどでは役人が高圧的な演出がなされますが、実際の現場では丁寧な話し方をする人が多いという印象です。人が亡くなっているので、当たり前ですが。
相続税の税務調査、最初は歴史整理が中心
1日目の10時くらいにスタートして、被相続人の生まれた場所や実家の話に始まり、学生時代や社会に出てからのこと、家を建てたときのこと、施設への入所など、順々に税務署員の質問に回答する形で昔のことから整理をしていきます。
相続人も高齢だったり、何十年も前のことを聞くので、思い出すのに時間がかかります。そのため、生まれてから亡くなるまでのことを整理していると、だいたい午前中の調査が終了となります。
税務署員は税務署に戻るか近くで食事をするために退席するのですが、食事中に午後の調査をどうしようか頭の中で整理しているものと思います。
相続税の税務調査、1日目の午後から本格的になる
相続税の税務調査が本格的に進むのは、1日目の午後からです。われわれ税理士や相続人には見せないのですが、下の画像のような資料を確認しながら質問してきます。
「2010年5月にみずほ東京の口座から40万円引き出してますが、行き先は?」という聞き方です。事前に親族の口座まで調べていて、行き先がわかっていてもこんな質問をしたりします。相続人がうそをつく人か記憶がはっきりしている人かといったことも見ているのです。
「2011年3月に2日連続で50万ずつ引き出してますけど、内容は何ですか?」といった風に聞き、「孫の学費を払うために使った」と回答すると、「学費はいつだれがどのように振り込んみましたか?何か資料は残っていますか?」と進んでいきます。
相続人の口座に被相続人のお金がたんまりと溜まっていたり、だれかに貸している預金があったりすると、財産がもれているので税金を納めてください、ということになります。
相続税の税務調査、土地の評価は二の次
相続税の税務調査では、ほとんどの時間が預金調査に使われます。通帳の記録は、10年くらいは銀行に残っていますので、裏付けが取りやすいのです。土地の評価は税理士がしっかりやっていると税務署が見る傾向があり、わざわざ相続人に聞くことでもないからです。
相続税の税務調査、税務署員の嘆きが面白い!
私が勤務時代に税務調査を担当したとき、税務署員がぽろっと言っていたことがあります。「相続税の申告が増えた税理士事務所で、預金の動きを一切チェックしないで申告書を提出しているところがある」と。
現行の税務調査のトレンドだと、過去の預金の動きをチェックすらせずに申告書を提出してしまったら、税務調査で苦労する相続人が増えてしまうと思います。
値段と人柄だけでなく、過去の預金の動きをチェックしてくれる税理士事務所を選んだほうが無難だと言えるでしょう。

作間 祐兵

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