
イデコ(iDeCo)に専業主婦が加入するメリットある?【税金、手数料で試算】
2017/02/24
主婦がイデコ(iDeCo)に加入するメリットが気になる人が多いです。イデコのメリットとしてよく聞くのが、掛け金を払うことで毎年の所得税や住民税が安くなること。主婦だと意味ないんじゃない?って疑問が浮かびます。主婦がイデコに入るメリットがあるのかを書いてみます。
Contents
主婦がイデコ(iDeCo)に加入するメリットとデメリット
イデコ(iDeCo)は個人型確定拠出年金の愛称です。「個人で掛金を払って、年金でもらう」、簡単に言うとこんな制度です。そもそも、イデコ自体のメリットって何でしょう?主婦にもメリットがあるのでしょうか?デメリットと合わせて確認しましょう。
メリット1.掛金を払うとき
税金(所得税と住民税)の計算は次のとおりです。
収入から経費を引く
→サラリーマンの場合は「給与所得」
<2>所得控除
社会保険料控除、配偶者控除、生命保険料控除などが所得控除です。
イデコの掛金は小規模企業共済等掛金控除に該当します。
<3>課税所得(1-2)
所得から所得控除を差し引いて課税所得を計算します。
ここがゼロやマイナスになったら税金がゼロになります。
<4>税金計算
課税所得金額に15~55%を掛け算すると税金が分かります。
→イデコ掛金×税率、これが安くなる税金!!!
専業主婦がイデコに加入すると月2.3万円、年間27.6万円の掛金を払い込めます。
イデコ最大のメリットとして強調されているのは、全額所得控除(経費)となる点です。生命保険だと10万円払っても20万円払っても控除は同じです。一方、イデコは払った全額が控除となるので、この点で生命保険よりは税金が有利です。
実は、主婦の場合、このメリットはありません。103万円以下の給料しかない主婦にはもともと税金がかかっていないので、イデコを払っても税金は当然ゼロになるのです。
夫の年末調整や確定申告で控除すればよいのでは?と思うところです。でも、それはできないルールとなっています。
メリット2.掛金を運用するとき
払ったイデコ掛金は運用します。運用先は預金や証券などです。通常、預金や証券の口座を開設して資産運用すると、運用益には所得税や住民税がかかってきます。でも、イデコ掛金の運用については、課税されません。
メリット3.年金をもらうとき
イデコから年金を受給することになると、ここでも税金上のメリットがあります。さきほどの税金計算の「所得」のところで、メリットが感じられます。
65歳以上は120万円、64歳以下は70万円、経費として毎年差し引ける
今まで年金受給者の確定申告を何百枚も見ました。気づいたのは、専業主婦の年金収入は100万円以下のことがほとんどという点。せっかくの120万円の控除が使いきれていないのです。
イデコの掛金を払い、将来の年金額が増えたとしても、合計120万円の範囲内なら所得税や住民税は増えません。払っているときは控除がなくても、将来的には控除を上手に使うことが可能といえます。(制度が変わる可能性もありますが)
デメリットもある
どんな制度にもデメリットがあります。
・元本割れリスクあり(運用失敗)
・管理手数料がかかる
元本割れは将来のことなので未確定です。ずっと手数料がかかること、60歳まで引き出せない、このあたりは損得シミュレーションをして判断する必要があります。
結局損なのか得なのか
今までの話をまとめます。主婦がイデコに入って損なのか得なのか、これは次の計算式で求めることができます。
もらえるイデコ年金+運用益-払った掛金-管理手数料
1年間の運用益と手数料を比較すれば、損得の判断ができます。
例えば、手数料が安いと言われているSBI証券だと、年間手数料は次のとおりです。
SBI証券 iDeCo
主婦は年間27.6万円まで掛金を払うことができるので、4年で100万円の年金資産となります。手数料が年間2千円なので、0.2%以上の利率で運用すれば手数料で損することはありません。これなら主婦でも得と言えます。
ただ、60歳まで使えないお金となるので、よく考えてから加入することは強くオススメしておきます。
SBI証券 iDeCo
主婦がイデコに入るメリットやデメリット、まとめ
主婦がイデコに入るとき、掛金を払うときの税金は変わりませんが、年金をもらうときには税金が安くなることがあります。でも、これを見積もるのは難しいので、運用益と手数料で損得シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。

作間 祐兵

最新記事 by 作間 祐兵 (全て見る)
- 年末調整がネットで完結!?事務手続きで得する人&損する人 - 2017年8月14日
- 「アフィリエイト100円です!」メールで税理士試験を思い出した珍体験 - 2017年8月7日
- さらば日本ブログ村!ランキングバナーを剥がして軽量化を狙う! - 2017年7月18日