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年末調整がネットで完結!?事務手続きで得する人&損する人

「年末調整がネットで完結する方向で進んでいる」という報道がありました。増税や減税の話ではないので、お金の損得は出ません。

ただ、新しいやり方となるので、事務手続きで得する人と損する人が出てきます。まだ、年末調整のネット完結は将来的な話ですが、事務手続きの損得を考えてみました。

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年末調整のどこを変えようとしている?ネット完結って何だ?

年末調整のネット完結報道では、ネットを駆使した電子化で、なんだか楽になりそうな印象を受けると思います。どこの部分を変えようとしているのかを簡単に確認してみましょう。

この報道を元に書いています

ヤフーニュースに記載されているFNNニュースの動画と記事を見て、損得を考えてみました。

新たに財務省などが導入に向け調整している仕組みは、マイナンバーの個人サイトに金融機関から送られてくるデータを勤務先に転送し、企業がネット経由で税務署に提出するというもの。
↑参照:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170814-00000208-fnn-bus_all

保険会社等から控除証明書を送付→ココが変わる

毎年秋になると、生命保険会社などから控除証明書が自宅に送られてきます。この書類を勤務先に提出します。


↑引用:http://www.meijiyasuda.co.jp/contractor/deduction/form/form_05.html

この書類の送付をやめてデータを使って送受信する、これが年末調整のネット完結のポイントです。

保険会社等から書類データの送付

勤務先に書類データを提出

勤務先が書類データを保管

保険料控除申告書の提出→変わらない

年末調整のときには証明書といっしょに「給与所得者の保険料控除申告書」という書類を勤務先に提出します。

ここには、名前や住所、支払った生命保険料の種類や金額を書き込みます。この部分は今回の報道を見る限り、変更はなさそうです。

勤務先が税金を確定させる→変わらない

勤務先は提出された情報をもとに、個別の税金を確定させます。12月最後の給料か1月の給料でちょっと上乗せされることが多いです。この手続きもネット完結が実現しても変わりません。

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年末調整の事務手続きで得する人と損する人【勤めている人】

年末調整の事務手続きがネットで完結するという報道が現実となったら、得するか損するかが大事なところだと思います。サラリーマンやパートをしている従業員だとしたら、損得は次のようになりそうです。

証明書がたくさんある人ならちょっと得

年末調整のときに会社に提出する証明書類は、例えば次のようなものがあります。秋に保険会社等から届く書類のことです。

・社会保険料の控除証明書(国民年金など)
・生命保険料の控除証明書
・地震保険料の控除証明書
・小規模企業共済控除の控除証明書(iDeCoなど)
・住宅ローン残高証明書

勤務先で年末調整してもらうなら、これらの控除証明書を保険料控除申告書といっしょに提出します。

年末調整のネット完結では、勤務先への証明書提出をデータでやります。書類を会社に持っていく必要がなくなるワケです。

生命保険や地震保険に何本も加入している人で、書面をたくさん準備するのが煩わしいと感じる人だと、ネットを通じてデータで提出できたら楽でしょうね。

得する人は少ない気がする

先に断っておきますが、政策にケチをつけるつもりはありません(笑)。ただ、現実的には、お勤めの人で年末調整のネット完結で得する人は少ないと思います。

そもそも、年末調整は1年に1回なので、書類を提出の手間は年に1度だけ。また、会社に提出する証明書類が5枚以下の人がほとんど。

それくらいなら紙で提出するのも苦じゃないと思いますが、どうでしょう?

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年末調整のネット完結。総務や経理の担当者の損得は?

勤めている人は年末調整のネット完結で事務手続きが大幅に楽になることはなさそうです。会社の年末調整の事務を担当する総務や経理の人はどうでしょうか?

ルーズな社員から書類を集めるなら楽になるかも!?

総務や経理の仕事をしている人には「指定期限までに書類を出してくれない人に総務や経理は苦労する」あるあるネタに共感してもらえると思います。

そうすると、「Aさん、控除証明書を〜月〜日までに提出してもらってもいいですか?」と督促しないといけません。その期限にも提出がなくて仕事が進まない・・・、こんな苦労ありませんか?

もし、ネット完結の仕組みが運用されれば、「このパソコンからIDとパスワードを入力して、データをください!」とその場で動いてもらえるようになります。

現状だと、控除証明書は家に帰って現物を持って来てもらうしかありません。ネット完結なら、パソコンからデータを確認できますので、IDとパスワードさえ分かれば、すぐに控除証明書の内容の確認もできるでしょう。

IDが自宅保管なのであれば、結局は自宅で確認してもらわないといけませんが。

書類の保管場所が減る

源泉徴収に関して、扶養控除申告書と保険料控除申告書と証明書類の3つを書面で保管するのが現状の年末調整です。従業員が多いと、保管する書類が多いので、保管場所も確保しないといけません。

ネット完結の全容は不明ですが、多くの書類がデータに置き換わるなら、場所を取らずに済みます。

ネットと書類が混在しないか心配

少し心配なのが、社員全員がネット完結できるのかどうかという点です。インターネットを通じて、生命保険料などの情報を得るので、全員がネットに加入している必要があるように感じます。

・ネットの使い方が分からない人
・マイナンバーサイトを使いたくない人(サイバー犯罪を警戒)

このような人がいると、ほとんどネット完結だけど、残りは従来通りの書面での年末調整とならないか心配です。

年末調整のネット完結。社外の人の損得は?

年末調整は会社内の手続きなので、会社内のだれが得でだれが損かをまず考えます。もうちょっと広い関係者を考えてみます。具体的には保険会社や銀行です。

保険会社や銀行、郵送料は得、システムは?

毎年秋に保険会社や銀行から証明書を送ってもらって、その書類を勤務先に提出することで年末調整してもらえます。

ネット完結となると、保険料やローン残高などの情報はネットを通じて、加入者に連絡をすることになります。今まで莫大にかかっていた毎年の郵送料が削減できます。

一方で、データをマイナンバーサイトに送るシステムの整備が必要なので、このあたりは目に見えにくい苦労や負担がありそうです。

税務署などは得だと思われる

生命保険への加入状況がマイナンバーと紐付けされるなので、税務署などには便利です。

現状、年末調整時に勤務先に提出された控除証明書は、そのまま会社で保管されています。保険会社などが情報を開示しない限り、税務署は加入している保険については分かりません。

もし、マイナンバーサイトで生命保険の金額がデータでやりとりされるとなると、税務署などは簡単にデータを見ることができそうな感じがします。

そうすると、相続が発生したときに「、過去にXYZ生命の保険に入っていたけど、保険金が財産に計上されてないのでは?」という指摘がしやすいんじゃないかと思います。

あくまで予想ですが(笑)。

年末調整のネット完結と損得、まとめ

年末調整のネット完結報道について、損得を考えてみました。制度の全容が明らかになったわけでもありませんし、実際の運用されたわけでもないので、あくまで予想の損得にすぎません。

ただ、一番数が多いサラリーマンには得する部分は少なそうな印象です。

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作間 祐兵

朝4時から始動する税理士、髪型は丸坊主。 面談やネットを通じて、お得な情報を届けることに全力を注ぎます。

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